こんにちは。メカニックの渡辺です。
COLNAGO V2-Rの組み立てレポートの続編、第2話です。
COLNAGO V2-R 組み立てレポート
第2話 リア・フロントディレーラーの取り付け~ブレーキ周り作業 ←今回はここ
第3話 ワイヤー関連・コラムカット作業~完成まで
リア・フロントディレーラーの取り付け
リアディレーラーの取り付けから行っていきます。
現行モデルに採用されたシャドータイプのディレーラーはボルトが外しにくくなる事が多いため、ボルトには固着防止ペースとをしっかりと塗布しトルクレンチで固定します。
次にフロントディレーラーは直付けタイプのため、フレームのマウント部との接触する部分にファイバーグリップを少量塗布します。
無理な変速や不意に力が加わった際、フロントディレーラーがずれ動き難くするためです。
この工程はシマノのマニュアルにはありませんが、経験上やるに越したことはない小技です。
下の画像のように取り付け座金(ざがね=ワッシャ)にも塗布します。
取り付けボルトのスレッドには着かないように少量だけ塗布します。
続いて、フロントディレーラーのサポートボルトからの加圧から、フレームを守るための金属プレートを貼り付けます。
トルクレンチを使い5〜7Nmで固定します。(下の画像は工具をあてがったイメージです。締める際は左手でディレーラー本体をしっかりと握った状態で締め付けています。)
ブレーキ周りの作業
次は、ブレーキの取り付けです。
直付けマウントタイプの取り付けボルトには、あらかじめ緩みどめが塗られています。
ネジには腐食防止のグリスを塗ります。
塗り残しがないようにニードルで奥まで塗り込みます。
5〜7Nmの指定トルクですので6Nmでしめつけます。
リアブレーキも同じ手順で取り付けます。
固着するネジで一番多いのが、フレームに取り付けるアウター受けなどの小さなボルトです。
なるべく固着を防止するため、タレにくいグリスを使い、塗り残しががないようにネジ山に塗布し固定します。
続いて基本的な位置にSTIレバー(ブレーキレバー)を組み付けます。
左右均等になるよう専用ゲージを使用します。このゲージはフォークやハンドル、ステムなどの歪みもチェックすることができます。
レバーの位置が決まったら、ワイヤーを張っていきます。
DURA-ACEのワイヤーはポリマーコーティングされた最上位グレードのワイヤーです。操作フィーリングは最高です。
アウターワイヤーの切断面は、中のライナーが溶けないよう少しずつフラットに削ります。
下の画像のように、ニードルを差し込んでアウターワイヤー内部のライナーを成形し直します。
アウターワイヤーの長さは、タイトなコーナリング、転倒、輪行時などの安全マージンや手放し走行の際の直進安定性などを考慮しつつ、最適な長さにカットしてワイヤリングします。
スッキリとしてかつバランスの取れた、いい感じのワイヤリングが出来ました!
今回はここまで、次回はインナーワイヤーを通し仕上げて行きます。お楽しみに!
【第3話 ワイヤー関連・コラムカット作業~完成まではこちら】