こんにちは!メカニックの渡辺です。
COLNAGO V2-Rの組み立てレポートの第3話、最終回です!
COLNAGO V2-R 組み立てレポート
第2話 リア・フロントディレーラーの取り付け~ブレーキ周り作業
第3話 ワイヤー関連・コラムカット作業~完成まで ←今回はここ
ワイヤー関連の作業
ブレーキワイヤーに専用のケーブルグリスを塗布します。
粘性の高いグリスでは抵抗は増えますが、ワイヤー専用グリスは低粘度でとてもサラサラしており、滑らかな操作フィーリングが得られます。
ブレーキ本体のワイヤー固定ボルト部のワイヤーには塗布しないように注意します。
シフトインナーワイヤーにも塗り残しのないように塗布します。
薄くコーティングするように塗り伸ばしていきます。
リアディレーラーに接続されるアウターワイヤーの長さを決めます。
ディレーラーハンガーのボルトの中心から、アウターワイヤー受けの中心までの長さで決まります。今回は約5cm程でした。
リアディレーラーに接続される、アウターワイヤーOT-RS900は、金属キャップ側を切らないように作業します。
性能が落ちてしまいますので、ここは慎重に作業するポイントです。
下の画像の様に無理のない自然なアールを描いた状態になりました。
もちろん内部インナーワイヤーにはグリスを塗布しています。
この後、シフト調整を入念に行い駆動系が完了いたしました。
フォークコラムのカット作業
次は、フロントフォークのコラムカットに移ります。
まずはフレームからフォークを取り外し、フィッターの杉浦店長がお客様とご相談の上、決定していたコラムの長さにカットします。
グリスが付着しているコラムを、パーツクリーナーで脱脂します。
グリスが残っているとカーボンの切り屑がくっつき、きなこ棒のような状態になってしまうのです。
脱脂には攻撃性の極めて低いワコーズのBC-9を使用します。
ソーガイドをセットしてノコギリでカットしていきます。
通常、金ノコギリは押す側で切れるように歯をセットしますが、カーボンコラムを破損させないよう今回は歯を敢えて逆向き(引いて切れる方向)にセットしています。
カットした末端の面取りをダイヤモンドファイル(やすり)で仕上げます。
ささくれやバリもなく、とても滑らかに仕上がりました。
ついに完成です!!
フォークを元通りに組み付け、バーテープを巻き、全体の最終チェックを行いついに完成しました!!
マットブラックのフレーム×デュラエースコンポーネント=絶対速そうな、いや、絶対速いバイクの出来上がりです!
バーテープは、適度なグリップと手汗を逃がしてくれると評判のボントレガーのベルベタック!
軽量、エアロ性能、剛性の高いブレーキ。
チェーン落ち防止のデバイス(赤い部品)。
こちらは追加発注をいただきお取り付けしました。
DURA-ACE(デュラエース)は、今回の組み込み作業内で行った操作だけを見ても、同じくシマノ製コンポーネントのULTEGRA(アルテグラ)との性能の違いを十分に感じることができました。速さを求める方にはもちろん、より良い道具を使って最高の操作感でライドを楽しみたい方に是非お使いいただきたいコンポーネントです。
私、渡辺はすべてのバイクに精密な組み立てを行うことをモットーにメンテナンスに取り組んでいます。お客様の大切なバイクやパーツの性能をフルに発揮できることを目指しています。
TREK以外のバイクでもコンポ―ネントの載せ替えや、メンテナンスなどもしっかりと行いますのでお気軽にご依頼ください。
今回のブログはここまでです。ご覧いただきありがとうございました(^-^)